この本を読んでいて何ともやりきれない気持ちと

この人達の「持って行き場のなかった悔しさ」を思うにつけ、「いまの私たちがこれに答えられているのか?」内心忸怩たるものがあります。

「戦争と罪責」著者野田正彰氏。http://tinyurl.com/kd43f3g

著者が戦後様々な人から戦時体験を聞き取りしてあるき、その内容が紹介されています。その中で、元軍医の小川武満さんの戦犯死刑囚の処刑の立会い・遺体引取りなどしておられたそうです。ある時処刑前、戦犯に問われた兵士から託された遺書を預かり、その内容が掲載されております。以下野田正彰氏の著書から原文のまま引用します。

「銃殺刑を前に遠く祖国の皆さんに訴う。靖国は侵略戦争を反省各国にお詫びする神社にしてください。『英霊』『勲章』は拒否します。戦争で日本軍は大変悪いことをした。私たちに殺された中国人遺族に申し訳ない。『聖戦』ではなく侵略であります。天皇陛下も侵略を各国にお詫びしてください。お詫びは恥ではなく日本の良心です。日本はかつてのドイツにならぬよう、二度と武器を持たないでください。国民党蒋介石軍の戦犯処刑の実体を帰国者から知ってください。岡村寧次総司令官などの戦争責任者や、石井細菌戦部隊長こそ厳重に処罰して下さい。吾身をつねり、殺される立場になって、その痛さを知りました。朝鮮民族伊藤博文に対する憎しみも日本に対する怒りもわかりました。祖国日本の平和と良心は民族の反省なくしては得られません。私たちは日本軍の罪を背負って銃殺されていきます」高橋勝(憲兵准尉、39歳)高橋鐵雄(華北電信電話大興県分所長、39歳)黒澤嘉隆(憲兵曹長、31歳ー黒澤はその後運よく脱獄)。

朴訥な文章ですが、かえってリアルに心に響いてきます。

たしかに彼らはジュネーブ条約ハーグ条約に違反したことは事実でしょう。しかし、先の侵略戦争の責任を彼らだけに負わせて済む問題でしょうか。

狡猾に処刑を免れた事例はいくつも知られている中、考えさせられます。

そして今、集団的自衛権をめぐる安倍政権の無法ぶりを見るにつけ、何ともいたたまれない心境にさせられました。

今現在私たちは彼らの無念に答えられたのか。考えてしまいます。