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「自民党憲法草案」と近代立憲主義について

近代立憲主義は「価値観・世界観の多元性を前提にし、それらを抱く様々な人の公平な共存」を目的としている。それに対して、中世の立憲主義多元性は認めず「教会の教え」に従う事を前提にしていた。

その後の数次に及ぶ世界大戦、資本主義国と社会主義国との共存

それらの苦渋の経験のもとにほぼ共通の合意とされたのが「近代立憲主義」である。

自民党の「日本国憲法改正草案」は前文で「長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴(いただ)く国家であって・・・」「先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めて・・・」「日本国民は・・・和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。」「我々は、自由と規律を重んじ、・・・活力ある経済活動を通じて国を成長させる。」・・・。

これ等はそれぞれある程度は納得いく部分もある。

しかし、憲法前文に掲げるほどの国民の合意を得ていると言えるのだろうか。

「長い歴史と固有の文化云々」は戦前の「神国日本」、ドイツ・ナチスの「アーリア人至上主義」などのナショナリズムを連想する人がいないだろうか?

「先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位をしめて云々」を聞いて大陸・アジア2千万もの犠牲に遭わされた国の人々がどう思うだろうか?

 

道徳として国民にPRすることには異論はないが、憲法として特定の考えを押し付ける事はやはり「近代立憲主義」とはなじまないのではないだろうか。

そういった意味では現憲法の方がはるかに優れている。

今回の特定秘密保護法もこの路線から出てきていると思える。