「法の蔵(ぞう)する弾力性を筒一杯活用」する。

(木下英一『特高法令の研究』) これは取り締まり優先特高警察のご都合主義であった。

もう一方、「包括的な、広い規定を設けておき、これを適当に運用」することに「法律運用の妙」があるとしたのが司法省思想部の大竹武四郎の言葉である。つまりこれは「思想検察」の共通した考えであった。

 

戦後「特高警察」は解体されたが、「思想検察」は、ほぼ、そのままの形で存続している。これは「思想検事」荻野富士夫著(岩波新書)に出てくる言葉である。

 

これで分かるように「曖昧さ」は取締り当局にとって大変都合のよい事なのである。その反省の上で出来たのが現憲法の「罪刑法定条項」(三十一条)である。

戦前の苦い経験を生かして何としても「特定秘密法案」を廃止しなければならない。